図書室

どうしても、喰らいたい。
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【注意】
性的な表現多々ございます。
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by.そらね蚊乃
















深夜の男子寮。
俺はベッドに横になり、うつらうつらしていた。
寝ようと思っていたけど、まだ寝る気にはなれなかった。というのも、時計はまだ午前1時を差したばかりだったからだ。
「午前1時」が他者にとって《まだ早い》時刻なのかは果たしてだが、俺にとってはまだ就寝時間ではなかった。体は眠くなるけれど、なんとか気合いで目をこじ開ける。それは大して苦な行為ではなかった。
それに、起きていなければいけない理由もあった。同室の四ノ宮那月がまだ帰ってきていないため、部屋の鍵を閉められないのだ。そのため、俺は少しばかり頭に血が上っていた。
雑誌をめくる。光沢が輝くテナーサックスが肩を並べていた。同じクラスのあいつがみたら喜ぶだろうな、と思う。
俺は今、ただのTシャツにスウェットというほぼ寝間着な格好だった。それでも、7月の夜は蒸し暑い。冷房を効かせていたけど、これも夜2時になると切られてしまう。
ごろりと寝返って、天井をながめた。瞼が重い。よく考えると、昨日もあまり寝なかったうえ、今日は撮影だの何だのでゆっくり休む暇もなかった。無理もない。
「何をしてんだか…」
那月に対し、つぶやく。そのまま、俺は浅い眠りに引き込まれていった。




ドアの開く音で、俺は目を覚ました。
「……ん、まだ起きてたのか?」
体を起こした俺を見て、那月は言った。彼も、Tシャツにスウェットというラフな格好だった。
「起きててやったんだよ。なかなか帰って来ないから。鍵閉められないだろ。」
俺は少々冷ややかに言った。それでも那月は笑って言った。
「いや、ごめんごめん。ちょっと遊びすぎた。よそでシャワーも浴びてたんだ。」
「そう…。」
そう、と簡単に流したが、俺はふと考えた。那月はつまりどこかの誰かと性行為を交わしていたのだ。俺は帰ってくるのが遅かった腹いせに、那月をからかってやろうと思った。


「七海のとこ?」
「えっ?」
「七海のとこ、行ってたんだろ。」
俺はクスクス笑った。「七海とセックスしたんだ?」
那月の緑の目は、まっすぐに俺を見つめている。そして那月はフッと笑った。
「だとしたら、何だ?」
「悪いやつだな。女子とそんなことしやがって。」
俺がそう言うと、那月は声を上げて笑った。
「『女子と』って、普通セックスは女子とだろう。異性同士じゃないか。」
「そういう意味で言ったんじゃない。」
俺はまたベッドに寝転がった。「もういい、寝る。」
「ああ、待ってよ。怒らないで翔ちゃん。」
するとあろうことか、那月は突然俺の上に飛び乗った。俺よりもだいぶ体格の大きい那月が飛び乗るもんだから、思わず俺の口の中に吐物が広がった。口を押さえて、慌ててそれを飲み込む。鳩尾がヒクヒクと痛かった。
「こ…殺す気!?」
「ねーえ翔ちゃん、まだ寝ないで?」
那月は俺にグイグイと顔を近づけてくる。俺は驚いた。那月の吐息が…
「まさか…飲んでるな!?」
「いやあ、だって七海が間違ってチューハイ買ってきたんだもん。もったいないから全部飲んできた。」
「全部ってどれくらいだよ!?」
「4缶……かな。」
俺は呆れて何も言えなかった。那月はハハハハと高らかに笑い、
「ねえ翔ちゃん。さっきセックスは異性同士でするもんだって言ったけど、撤回するよ。」
「はあ?」
「別に、同性でもできるってことさ!」
那月は突然、俺の唇に吸い付いた。俺は無論抵抗しようとしたが、那月はまだ俺にまたがっているため、身動きがとれなかった。さらに手首まで掴まれ、那月は俺の舌をねぶる。
唾と唾がまざりあう水音が部屋に響く。それが俺には耐えきれなくて、やめろ、と叫んだ。
「ぬあぁあ、ぁあ!」
耳を疑った。いつもの自分の声とは思えなかった。上ずって、言葉にならない、ただの泣き声のようだった。情けなくて目が潤む。
そんな俺に気づいた那月はピチュンと音をたてながら舌を俺の口から抜き、ニヤリと笑った。
「翔ちゃん…ちょっと早くない?」
「もういい加減にしろよ!!この酔っ払い!!どけ!!降りろ!!」
那月は俺の声には全く耳を貸さず、俺にまたがったままTシャツを脱いだ。
「さ、本番。……失敗しても笑うなよ?」
「なっ…!?」
那月はニコニコと笑いながら、俺のTシャツを首までまくし上げた。
「ちょっ…!!」
「翔ちゃん鳥肌たってるよ。…アレ、ここはもうこんなに…。」
那月の指は直接見えないが、それは俺の乳首をぎゅっとつまんだ。そんな今までにない感覚が俺の背筋に走った。
「ぁああっ!!」
思わず叫んでしまう。恥ずかしさで頭は真っ白になった。
「あれ、まだ乳首しか触ってないのに…」
那月は尚も俺の乳首をいじり続ける。俺は歯をくいしばり、声を押し殺していた。
「いいんだよ?声出しても。大丈夫、誰にも言わないからさ。」
那月はそういうと、俺の胸に顔を近づけた。次の瞬間、俺の乳首が那月にベロリと舐められた。
「ぁああっ……」
「そうそう、我慢はだめだよ。気持ちいいなら、そうやって俺に伝えて?」
那月は俺の右の乳首を舐め、左の乳首を指で転がし続けた。俺の額には汗が浮かび、涙さえ溢れそうだった。
「はあ…はあ…お前……飲み過ぎだぞ……先生にバレるぞ……。」
俺は大きく息をしながら言った。
「心配無用。俺、これでも酒には強い方だから。今だって、意識もはっきりしてるだろ?」
「どこがだよ。こんなことしやがって…。」
「まだ終わらないよ。」
抵抗する間もなく、那月は俺のスウェットの中に手を突っ込んだ。
「おい!!!!おま…」
俺が叫び終わるより早く、那月の手は俺の下腹部にある肉茎に到達していた。
「何するんだよッ!!」
俺は那月の腕を振り払おうとしたが、それより早くスウェットをパンツと共に足首の辺りまで下げられてしまった。
「翔ちゃんもなかなか肉体美じゃん。」
那月はそう言いながら、俺の足の付け根あたりを舌で撫でていった。時折、垂れてくる唾をすする音がする。俺はもう疲れきり、抵抗することもできなかった。
さらに那月は俺のものを指で丁寧になぞる。
「………っ…ぁあ…ぁああぁ…」
こらえきれなくなり、俺の口からは上ずった情けない喘ぎ声が漏れた。
「何?きもちいの?」
那月は俺のものから指を放すと、あろうことかそれを口に含んだ。「なっ…!?あああっ…」
那月の口の中で舐められる俺のものは、容赦なく上に突き上がった。情けなくて目から涙がこぼれる。
俺の体液が那月の口の中に出ていくのがわかった。
「苦い。ご馳走さま。」
那月はコクンとそれを飲み干してしまったようだ。俺は腕で涙をぬぐった。
「ラスト……」
そういうと那月は、自分もスウェットを脱ぎ捨て、全裸になった。
「痛くても泣くなよ。ちょっといきなりだけど。」
那月は、那月のものをそっと左手で掴み、もう片方の手を俺の尻の間に運んだ。
「な、何を……?!」
俺は涙声で尋ねる。しかし那月は、俺のつぼんだ穴に中指を挿入した。
「いゃあっ、ぃっ……」
「我慢しろよ…」
那月も息を乱していた。那月の中指が俺の穴を広げ、そこに那月のものが突き立てられた。
「痛いっ、痛い!!」
俺は我を忘れて叫んだ。
「もう、静かに静かに…」
那月はクスクス笑った。那月はさらに腰を前後に動かした。
「ぁっ…はぁ……あぁっ…」
「……ぁぁあ、はあぁあ…」
もう、どっちがどちらの声か分からなかった。俺の腰もビクンと動く。その度に、那月の体液が俺の中に注がれていった。
「おい……そんなに出すなよ……」
俺は切れ切れに言った。
「七海よりも…ずっと気持ちいい…」
那月はほんわりと笑いながら言う。
「翔ちゃん、次は君の番だよ。」
「え?」
那月は俺の中からものを抜いた。那月の残り液がベッドのシーツを濡らす。
「俺の中に…入ってごらん?」
「………。」
俺はじっと那月を睨んだ。
「いいから…」
那月は尚もねだる。「でないと、またいじめるよ?」
「ぐっ…」
那月は俺の肩を掴んで起こすと、ベッドに寝転がった。
「おいで、翔ちゃん……。」
那月は目に涙をため、両手を広げる。
「……泣き上戸か。」
俺は、すでに上を向いてのけぞっている那月のものを丁寧に口に含んだ。それだけで、俺の口の中は那月の苦い液でいっぱいになった。それに答えるように、俺は舌を動かして那月のものを舐める。
「ぁぁあ、はぅあぁあ、っあ…」
那月は目をぎゅっと瞑り、首を横に振って喘いだ。その姿がおもしろくて、俺は吹き出した。
「人に散々言っといて、自分の方が感じてるじゃないか。」
俺は那月のものを名残惜しく口から出し、口の中の体液をプッと床に吐き出した。
「飲んで……くれないの?」
那月は目に涙をためて言う。
「苦いのは、苦手だ。」
俺は容赦なく、俺のものを那月の中に突き刺した。
「ぅっ、ぁあああああはぁっ、ああっ、あぁぁあぁっ」
俺が腰を動かすたび、那月は情けない声を上げ続けた。俺もこらえきれず、思わず体液を那月の中に漏らした。
「んぁあっ!」
「いいよ翔ちゃん……っ。俺の……中に……出しても……。」
那月は右手を伸ばすと、何の躊躇もなく中指を俺のつぼみに挿入した。
「はぁあぁあああっ!!」
那月の指が俺の中で暴れるたび、俺は体液を那月の中に漏らし続けた。そのつど那月も声をあげる。その姿は、まわりから見れば、なんとも情けない姿だっただろう。
俺たちは一晩中、そうして声を上げ続けた。





「……ちゃん。…ょうちゃん。翔ちゃん。」
那月の声で目を覚ました。いつの間にか、外は薄明かるくなっている。日が昇ったのだ。
那月はすでに制服姿で、シャワーも浴びたようだった。俺はというと、まだ真っ裸だ。慌てて布団をかぶった。
「翔ちゃんもシャワー浴びてこい。遅刻するぞ。」
すっかり酔いも醒めたらしい那月はいつものように言ったが、あの優しい目付きと笑顔は、いつもに増したようにも見えた。
「……那月。」
「ん?」
那月が振り向いた瞬間に、俺はベッドに立ち上がって那月の唇に唇をつけた。
俺は目を瞑ったから那月の表情は見えなかったが、那月は俺の背中を抱いて答えてくれた。
那月の舌が俺の歯をこじ開ける。俺の舌も、それを快く迎え入れた。





「どうしても、喰らいたくて。」

















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